2016-02-03から1日間の記事一覧

明治の漱石をあえて大正から読む

明治の漱石をあえて大正から読む 夏目漱石といえば、いかにも明治の作家のイメージがある。だが、元々新聞小説であった『明暗』は、河上筆『貧乏物語』と同じ年(1916)に出版されたのであった。漱石の最後の作品は、西田幾多郎『善の研究』の5年後に、大正期…

柄谷行人「言葉と悲劇」(1989)を読む

柄谷行人「言葉と悲劇」(1989)を読む 荻生徂徠の(1666-1728)の登場は、徳川日本の思想史上のひとつの「事件」(子安宣邦「事件としての徂徠学」)とされます。それは、それまでの日本の儒教を内側から壊す役割を担ったからです。そしてこの徂徠が影響を受けた…