2016-02-09から1日間の記事一覧

柄谷行人「日本近代文学の起源」を読む

柄谷行人「日本近代文学の起源」を読む ▼柄谷行人の「日本近代文学の起源」をよんだとき、非常に新鮮な息吹を感じました。それまでは、中村光男とか加藤周一のような、なにか中途半端なヨーロッパ中心主義者が書いた日本近代文学しかなかったのです。吉本隆…

フランスの誘惑を再び読む

渡辺一民の市民大学講座「フランスの誘惑」の講義メモ 渡辺一民氏曰く、国を背負う国費留学生の鴎外と漱石と比べてみると、永井の手放しの賛美をみよ自分は寝台の上から仰向きに天井を眺めて、自分は何故一生巴里にいられないのであらう。何故仏蘭西に生まれ…

大島渚「儀式」(1971)を読む

大島渚「儀式」(1971)を読む 第一次大戦は、民衆が国家と国家(フランスとドイツ)との争いに巻き込まれる、総力戦の様相を呈した。民衆の開放感と国家への不信感が戦後、支配的となった。日本の場合、関東大震(1924)がそうした戦争と同等の意義…

神社の改憲運動はなにを目的としているのでしょうか?

神社の改憲運動はなにを目的としているのでしょうか? ▼神道を非宗教として位置づけて規定し、天皇と総理の靖国参拝を憲法上問題ないという方向にしたいといわれています。 ▼国家神道の時代には神道は宗教的地位が曖昧にされ(政府は「神道は宗教ではない」(…

「映像の詩学」(1979)を読む

「映像の詩学」(1979)は、八十年代の思考の置き換えていく知的豊かさと議論の乏しい知的貧しさを告知するような本である。このなかで蓮見重彦は「大衆」というべきところを「映画」と言っているのかもしれない。「映画」を語るとき、それは大衆に見られた「…