2017-03-13から1日間の記事一覧

‪和辻哲郎「イタリア古寺巡礼」

‪和辻哲郎は若いとき岡倉天心から彫刻仏像)の見方を学んでいなければ、「古寺巡礼」(1919)も、昭和二年から三ヶ月のイタリア旅行をベースにしたこの「イタリア古寺巡礼」も、世に出ることはなかっただろう。和辻が偶像破壊者といわれたというが、自分の無知…

武士

武士は文化がない。つまり武士は、古代・中世の貴族と僧侶、江戸近世の町人のようには、独自の自らを代表した文化がなかったといわれる。ほんとうにそうだろうか、一考の価値がある。そうして、弘道館の入り口に立つとき、荻生徂徠の影響下に、幕末に国際的…

弘道館

武士は、古代・中世の貴族と僧侶、江戸近世の町人のようには、独自の自らを代表した文化がない。しかし弘道館の入り口に立つとき、荻生徂徠の影響下に、幕末に国際的視野を以って論じられた制度は文化の代わりとしてあったのかもしれないと期待をもつ。だけ…

岡倉天心

岡倉天心の「天を仰げば、自ずから初あり。物を観るに、竟に吾無し」に、物の同一性をつき崩して理想をわがものとする思いを読んだ。六角堂の「吾」を支えるのは変化する海。中国の顔の天心、インドの顔の天心、アメリカの横浜そして横浜のアメリカ。このも…