2017-05-12から1日間の記事一覧

『フィネガンズ・ウエイク』とはなにか?

『フィネガンズ・ウエイク』とはなにか? その全体像を公式的に言ってしまうのは躊躇いを感じるが、「第一部 両親の書」は貴族の世界が表現されていると私はおもっている。「第ニ部 息子たちの書」では僧侶の世界がえがかれるのだ。貴族の世界が体現する戦争…

人間全体の視点と人間の内部的視点を切り離せない

人間全体の視点と人間の内部的視点を切り離せない。祭祀体系と官僚機構の両者は共に国家を誕生させたと考えると、この視点から言えることは、こういうことだろうか。人はどこからきてどこへいくのかと未来を思い出すことによって語り得ないものを語るという…

注釈学

「根ざすのが人間性の完成である」と言い切る教説が自ら根ざす神の如き統一された抽象的他者像は、近世の原初的経典の連続性を以て書く注釈学にとって、大き過ぎる同一性である。それは、多様性へ行く学びの要請からすると、価値のない、近代が自らに適合す…

根っこなしをたたえる

根っこ無しとは外から影響を受け易い不完全性のことで、たとえば、ロンドンに滞在すればそれっぽいイギリス英語を喋るし、ダブリンに帰ると周りに吃驚されてそれっぽいアイルランド英語を喋るというこの不完全さについては連続性で考えれば足りるし、この身…