2018-02-15から1日間の記事一覧

「ゆきゆきて神軍」

公開されたときは、渋谷で三回みたかもしれない。監督の制作ノートも読んだ。‪「ゆきゆきて神軍」では、観る前は、世直し的救済論の危うさを描いているのかなとおもっていたが、寧ろ倫理的なものに突き動かされている人間への視点にとらわれた。決して単純で…

排除

コインに表と裏があるように、共感というのも常に両方の面を考える必要があると渡辺一民さんは言っていました。三浦さんの映画評をちらっと読むと、共感の欠如を問題にしていました。ここから、世直し的救済論に絡みとられると何か怖いかんじがします。「わ…

ゴダール「カルメンという名の女」(1983)

原発の政治的災害が「文革」の政治的災害の意味を私に問うことになったとき、「カルメンという名の女」(1983)がゴダール映画の中で最も愛する作品だとストレートに言えなくなった。「文革」を終わらせない反近代主義の敗北の逆説が、この映画における盲目の…