草間彌生を称える ー In praise of creative madness

In praise of creative madness

Mad people love Ireland...という言葉はダブリンでよくきいた。creative madnessという言葉でいわれる意味は、創造と狂気は紙一重。ハムレット Hamlet のような狂気を指すらしい。(半分冗談で、Hamletはアイルランドに寄って調子が悪くなったきたと信じられている!)。ウィットゲンシュタインWittgensteinもこのカテゴリーに。50年代にかれが「哲学探求2」を執筆していることは知られるようになってきたが、アイルランド人にも知られていない creative madnessの歴史もある。アルトーArtaud がメキシコへ行ったことは知られていても、その後にアイルランドに来た歴史は殆ど知られていない。その痕跡を追ってJohn Cageが訪ねにきている。Joyceを尊敬したJoseph Beusボイスも自前のケルトの小船(海賊?)できたことは、現代アートの事件をなすものであった。ところで日本人の仕事をみると、madnessへ行くのと、creativityへ行くのがあるけれど、どちらかに落ち着いてしまうことになるのだが、しかしヨーロッパのアーチストのようにmadnessをcreativityの基礎に置くことができる者は滅多にいないようである。その点で貴重な例外的な存在が、草間彌生Yayoi Kusama なのだ。 「増殖する網の目の中にやがて消えゆく肉体」と語っていることを知った。草間彌生を称えようではないか