もしフロイトが生きていたならば、 日本の領土ナショナリズムをどう分析したか?

もしフロイトが生きていたならば、 日本の領土ナショナリズムをどう分析したか?

精神分析学は投射作用という心理現象を扱います。たとえば、あなたはある考えにとりつかれているのですが、あなたはそれを認めません。理由はそれがあまりにも辛いからとか、又は禁じられている考えだからという様な事ですが、それだからといってその考えを棄ててしまう事もできないのです。あなたはその思想を欲するのだが、それを自分自身のものだとは言いたくないのだとフロイトならは見抜くはずです。つまりあなたの潜在意識が欲しているが、意識的な水準ではそれを望んでいないと説明されます。そこで、あなたの精神は無意識の「策略」にたよることになるのです。あなたは自分の考えを他の人におしかぶせて。そして、その考えを自分に教えたのは、あるいはおしつけたのは他人だ、と考えるようになるのです。そうして聞こえもしない声が聞こえたり、ありもしないものが見えたりすることによって、そのように自分から投射されたものを見たり聞いたりすることを幻視とか幻聴といいます。さて、右翼は領土が欲しいしアメリカみたいに奪い取りたいのですが、平和憲法下では、その考えを自分自身のものだとは言いたくないし、禁じられているのです。右翼は自分の考えを他の人におしかぶせる。その考えを彼に教えたのは、あるいはおしつけたのはその他人だと考えます。例えば、右翼の場合は、その他人とは中国だ。かれらはいいます。’中国人は領土を奪い取りたい'。ここから、我々に領土を守れと覚醒させてくれたのは中国というふうに考えることすらあるのです。そうなると、エスカレートしていくうちに、領土問題は戦争によってしか解決しないという、このまえの戦争の教訓が忘れ去られていくでしょう。たしかにここ十数年の間に中国は経済成長とともに戦力を拡大させてきましたが、しかしチョムスキーが指摘するように、アメリカが同盟国(例、日本)と取り結んでいる集団的安全保障に、圧倒的に囲まれているという(中国の側からの視点でみえる)現実もそれなりにかんがえておく必要があります。フロイト精神分析ナチスに適用しました。1938年、ナチスのウイーン占領の際、ロンドンに亡命を余儀なくされました。翌年亡命地で死去しました。私のロンドン時代は、車で20分でそのフロイトの家に行けました。運転しながらよくかんがえたものです。もしフロイドが生きていたならば、日本の領土ナショナリズムをどう分析したか?ナチスにおいて起きたことが、日本の領土ナショナリズムに繰り返されるだけでしょう。それは戦争を呼ぶ最悪の言説にほかなりません。21世紀の戦争は情報統制された'見えない戦争'の様相をとるとおもわれますが、戦争であることにかわりありません。