歯医者のアリストテレース「弁論術」

アリストテレース「弁論術」

歯医者がこわいのです。どうも、子供のとき麻酔を使わないドイツ人の先生に治療を受けた記憶が、ダブリン時代の治療で蘇ったのでした。麻酔をうってもらったはずなのに (笑)。自慢するわけではありませんが、歯医者ならば、わたしの口の中のぼろぼろの歯を見て呆れます。開き直るわけではありませんが、その直した歯がすぐに一週間後にまた虫歯になってしまったというだらしないわたしの人格的態度に、ゆるせん!という歪んだ表情になります。しかしこれから4時に予約している近所の三十代半ばの先生は、最初は歯の状態に怒っていましたが、未来に希望をもっているのですね。なぜだろうか?単純に、かれの若さから説明できる事柄かも。思い出すのは、アリストテレースは「弁論術」のなかで、若い人は失敗したことがないから未来にたいして楽観的であると言っていたことです。ただしそれが弱点で若者は騙されやすい傾向があると。比べると、私のような年をとった者は、過去に失敗を繰り返しているから悲観的になっているがその分簡単には騙されないものだと(すごく騙されていますけど。) たしかに時々でも若い人のいる場所に隅っこでもいるだけで希望をもつことができます。コンビニに行ったりと。ただ青年があまりにもあつまっているファーストフード店へ行くと、大学時代に行ったときとはちがう雰囲気。永遠に続く不況の影響を考えざるをえません。ケインズは経済政策は歯医者でいいといいました。不況の原因が分からずとも対処療法で十分であると。それならばピケティーが言う意味で格差をもたらしている1%のなかに、自民党の看板もちになり下がった東京大学法学部があるのだったら、これを虫歯として取り除けばいいだけー彼らが寄生している腐敗二世三世議員と共に。台湾の抗議デモを行っている現在の二十代が将来成熟していけば、必ず格差の世の中が治ると思いました。占拠した立法院の中でリーダーが問うた言葉。「日本はわれわれについてなにを知っていますか?」