エマニュエル・トッド『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』(堀茂樹氏訳)の副題は、「フランス人への警告」とはなっておらず、奇妙にも、「日本人への警告」が副題となっています。それはなぜなのでしょうか?

『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』(堀茂樹氏訳) のエマニュエル・トッド氏曰く、経済的に、さらに政治的に「ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る」とすれば、「ドイツ帝国」とかれが名指すものが及ぼす世界破滅を避けるのは再び、政治では無理なことでしょう。恐らくはここで、時代遅れな民族国家中心の論述を終え、仕事し直さなければならないのです。ヨーロッパの<ー>的多様体としての<帝国>化、文化の意味を考える根拠がここに...。また、「自ら進んでドイツに隷属するようになったフランス」というトッド氏の見解から、国家の敵対的他者への揶揄を合理化する非合理性のことを考えないわけにはいきませんでした。だが、本の副題は、「フランス人への警告」とはなっておらず、奇妙にも、「日本人への警告」が副題となっています。それはなぜなのでしょうか?親日派のトッド氏がその副題を要求したのかはわかりません。明らかではありませんが、日本人の読者の注意を引きつけるために出版社の商売の都合でつけたかもしれません。だが、私はあえて、これを、 ほかならない、沖縄を犠牲にして、自ら進んでアメリカに従属する安倍政権への警告と読もうとするのです。なぜそう読もうとするのか、その理由は説明を要しないでしょう。