二十数年ぶりに、ゲッツ・フリードリッヒ Gotz Friedrichの演出で、ワグナーのラインの黄金"Der Ring des Nibelungen" Vorabend Das Rheingold (Richard Wagner)をみた。

二十数年ぶりに、ゲッツ・フリードリッヒ Gotz Friedrichの演出で、ワグナーのラインの黄金"Der Ring des Nibelungen" Vorabend Das Rheingold (Richard Wagner)をみた。神奈川県民ホールでみたときはヴォータンたち神々は一歩進み一歩下がるという単純な反復で全然前へ進まなかったのである。当時は舞踏家のべジャールのニーチェ象が頭に張り付いていたこともあるかもしれないが、これが永劫回帰の思想なのだろうかと素朴に驚いた (自分を確立しようと絶えず動いていたときだったから演劇的なこの反復のジェスチャーに衝撃を受けた)。だが、今回の新国立劇場の演出では神々はミニマリズム音楽みたいに少しづつ前へ進んだ (写真下)。かつては、前へ進まないことに衝撃を受けたが、現在は前へ進むことにたいして愕然としている (結局どう動いても駄目なんだろうと絶望しているからね・笑)