Zizek on The Paris Attacks and Refugees ー西欧の外部の悲惨に対しては人間的感覚が麻痺しはじめたのではないかということを心配しております。

パリのテロ攻撃に巻き込まれた死んだ人々に同情することは尊重すべき人間的な感情だとはおもいます。しかし関心がパリの悲惨だけに留まってしまうとき、あえて言うと、その不幸な出来事はたった一日だけのこと。他方で米国とヨーロッパの中近東攻撃とそこから逃げてきた彼らを待つ差別のことをかんがえると、この難民の悲惨は一生終わらないのです。ご指摘を受けた通り、たしかにどちらが悲惨かということは比較できないものですしそれを言うことも許されません。そこで改めて自分が言いたかったことを整理しますと、明日自衛隊機が中近東へ飛んでいくかもしれないという状況において知らなければならないことは、イラク戦争だけでなく西側による中近東への空爆はずっと続けられてきたという事実です。はたして自分はどうかという反省もふくめて、西欧の外部の悲惨に対してはますます人間的感覚が麻痺しはじめたのではないかということを考えないわけにはいかなくなりました。