演劇感想文 ー スープ劇場『日常とゆず』(桑原睦作・演出)の舞台

演劇感想文

きょうみた東京演劇アンサンブルのスープ劇場、『日常とゆず』(桑原睦作・演出)の舞台は、いわば量子力学的パラレル世界で構成されていた。4人のママさんたちの、科学の圧倒してくる専門「知」と議論なきマス的「知」の洪水に溺れて苛立つ心は、大きな距離を超えて、他者(福島の人々)の領域にテレパシーできるのか?そのとき「日常」(black hole)はいつ、終わるのか?そして舞台はいかに、遠いもの同士を結びつけるコンパクトな「ゆず」に変容することになるのだろうか?そういうことをかんがえた、大変興味深い芝居だった。