アイルランドで考えることになった、講座派と労農派の話

知識としては知っていたけど、講座派とか労農派の話に関心をもったのは、アイルランドにいたときなんだね。アイルランドといえば世界で最も貧しい国の一つとおもわれていたが、よく調べてみると、戦前日本のほうが一人あたりの農地所有というか耕作面積のほうが低い。それなのに日本はアイルランドのようには革命が起きないのはなぜなのか?これは、「軍事的半農奴制的性質」、つまり半封建的奴隷根性によると山田盛太郎は言っている。32年テーゼに沿った解釈とはいえ、実証的に調べている努力は評価したいね。

 

▼山田 盛太郎について。Wikiより。山田 盛太郎は、昭和期日本のマルクス経済学者。野呂栄太郎らと『日本資本主義発達史講座』(岩波書店)を編纂。 1934年の代表作『日本資本主義分析』で講座派の代表者と目されるようになり、櫛田民蔵、猪俣津南雄、向坂逸郎らの労農派と「日本資本主義論争」或いは「封建論争」を繰り広げた。『日本資本主義分析』において規定した日本資本主義の「軍事的半農奴制的性質」、山田独特の「範疇=型」の検出による分析に対しては、日本資本主義の特殊性を浮かび上がらせた積極面がある一方で、労農派マルクス経済学及び宇野経済学からは、「型」分析の硬直性が問題視された。

▼32年テーゼについて Wikiより。戦前日本の支配体制を、絶対主義天皇制、地主的土地所有、独占資本主義の3ブロックの結合と規定し、地主階級と独占資本の代弁者かつ絶対主義的性格をもつ政体として天皇制をみた。そこから、当面する革命は絶対主義天皇制を打倒するためのブルジョア民主主義革命(反ファシズム解放闘争)であり、プロレタリア革命はその次の段階であると位置づけた(いわゆる二段階革命論)。また、反天皇制に加え、寄生的土地所有の廃止、7時間労働制の実現なども柱としており、「帝国主義戦争と警察的天皇制反対、米と土地と自由のため、労働者、農民の政府のための人民革命」をスローガンとした。