今、平和を語る」?柄谷行人は「120年周期」の予言しかしていません。そこで帝国間の平和を予言します。でもね、彼の予言に従うと、未来は帝国形成に至るヘゲモニー国家の争いだけか?

「今、平和を語る」?柄谷行人は「120年周期」の予言しかしていません。そこで帝国間の平和を予言します。でもね、彼の予言に従うと、未来は帝国形成に至るヘゲモニー国家の争いだけか?柄谷が語らぬフランス革命が齎したもう一つの側面、市民の政治化が再び起きる可能性はないのですか?20世紀に植民地主義と二つの世界戦争に帰結した、19世紀的国家主義民族主義の悪夢を乗り越えようとする、21世紀グローバルデモクラシーの時代に、破綻した過去を一生懸命再建しようとしているにしかみえない、柄谷をよいしょする日本マスコミも、3・11以降目覚めた市民の蜂起を恐れているから「帝国」の教説を見抜けません。


▼「私がいう帝国主義自由主義は、ふつう世間でいわれている意味とは違うので、もう一度説明します。たとえば、18世紀ヨーロッパでは、経済的にヘゲモニーをもつ国家だったオランダが没落したあと、帝国主義段階に入った。そのとき起こったのがナポレオン戦争です。このあと、勝利したイギリスがヘゲモニー国家となり、自由主義時代が続いた。しかし、19世紀末には、イギリスのヘゲモニーが失われ、英・独・米国が争う状態が続いた。つまり、帝国主義段階に入った。通常、帝国主義と呼ばれるのはこの時代です。このあと、アメリカがヘゲモニー国家となり、自由主義段階に移行した。しかし、1980年以後、アメリカが経済的に没落し始めた。そして、次のヘゲモニーをめぐる争いが始まった。ゆえに、帝国主義段階に入ったといえます。 現在、アメリカは没落しつつあります。次のヘゲモニーを握るのは中国あるいはインドでしょう。ただ、その前に、資本主義そのものが終わってしまう可能性がありますが。はっきり言えるのは、ヘゲモニーをめぐる世界的な争いがこれから続くということです。世界は今、「帝国主義的段階」に入った。120年周期という観点からみれば、現在は120年前に似ているといえます。 」(今、平和を語る 。戦後70年への伝言 哲学者・柄谷行人毎日新聞)