漢字とはなにかを問う漢字論の言説とはなにか?

However Kan-ji 漢字 (漢 means Han, 字 letter) in Japanese writing system constitutes most important linguistic moment so that Japanese language of which writing system dictates its structure cannot function without Kan-ji, it (Kan-ji) paradoxically has sign of distant otherness. What does it mean ? Kan-ji itself consists of essential element of Japanese language and yet never be a part of it due to its nature of otherness.text by Nobukuni Koyasu

translation by takashihonda

 

本多 敬さんの写真

「漢字とは、それなくしては日本語という書記言語も成立しない最重要な言語的契機です。にもかかわらず、<漢>の文字という他者性の標をもち続けているのです。」(子安宣邦

子安氏の「帝国か民主か」の「日本知識人と中国」という章の「中国の<異国>化」というタイトルで書かれていた一文を一生懸命英訳しています。[注]で、「漢字論-不可避の他者」(岩波書店、2003)を参照されたい、と記しています。貨幣として漢字を読むというテクスト的視点みたいなものにいまさら気がついています。全体はこういうものです。「宣長とは<固有の日本>の発見者です。同時に彼は<異国>としての<中国>の発見者でもあります。日本知識人の言説上に<中国>が登場するようになるのは、18世紀の宣長国学者においてです。その<中国>とは、自己<日本>から異別化された他者としてであります。この他者としての<中国>という意識は、近代以降も、ことに文化、言語上にもち続けられます。それは何より日本の<漢字>観に見出されます。漢字とは、それなくしては日本語という書記言語も成立しない最重要な言語的契機です。にもかかわらず、<漢>の文字という他者性の標をもち続けているのです」