国民投票の意味を読む

 

国民投票の意味を読む

離脱派残留派はほぼ半々なのは、投票の前に両者の間に非常にエモーショナルな対立が展開されていたことをかんがえさせる。国民投票の意味を読む必要がある。問題は、国民投票がイギリスに(それまで存在しなかった)分断をはじめてつくってしまったことだ。(EU離脱というのは、長年イギリスのEUに対する交渉を有利にするときに持ち出された交渉の方法でしかなかったのに、実体されてしまったというか。)報道によると、残留派の若者が英離脱派の高齢者に怒っているというが、若者であれ高齢者であれ、サッチャーから言い始めたような大英帝国への<こだわり>をもつ人々にたいする反発をもたない方がおかしい。さてこれから、離脱キャンペーンのリーダーである強硬な離脱派の新首相がキャメロン現首相の代わりに登場してくることになるが、このとき、もし勝者である英離脱派残留派にたいして合理的に譲歩・妥協しないと、何が起きるか。国民投票自体は最悪の結果ではないが、しかし強硬派の極端によっては最悪と考えはじめた残留派の巨大なデモがロンドンから起きないとはいえない。ロンドンのサディク・カーン(Sadiq Khan)市長は、英国のEUからの離脱交渉において、ロンドンには発言権があるはずだと語ったという。帝国主義の時代ではない21世紀において、国家にも属さず、帝国にも属さないというような、ロンドンのイギリス人の国内亡命する最初の歴史がはじまろうとしている?スコットランドがEUへ行き、もしロンドンがEUとの関係において自立することになれば、<国家>イギリスなどは世界史のノスタルジーでしかないだろう。問題提起をかねて書いておきたいことは、<地域>の時代がきたことをおもう。それは何者であるか、新しく何を言いたいか、そして何を望むのか?思想の大転換が必要である....

 

 

ロンドンのイギリスからの独立?イスラム教徒の市長を首都にした国際都市ロンドン。BBCによれば、多数が英国のEU残留を望んでいたという。英国のEU離脱の結果に反発して、ロンドン独立の署名運動する者(数万人)があらわれているようだ。ロンドンのサディク・カーン(Sadiq Khan)市長は、英国のEUからの離脱交渉において、ロンドンには発言権があるはずだと語った。ロンドンと、反感をもつEUの他の都市との関係も非常に難しくなると心配されている。交渉の場で激しい罵り合いの危険性も