「言葉と物」のコンパクトな世界 No.3

「言葉と物」のコンパクトな世界 No.3

 

ジョイス「ユリシーズ」イタケ挿話の一番最後で「どこへ?」と問われるとき、書かれた言葉それ自体が眠りに陥る。そこに指示されるような空白は、フーコ「言葉と物」にある、ベラスケス「ラス・メニナス(宮廷の官女たち)」のモデルの背後の壁に確認することができると私は勝手におもっているんだけど。空白は、王の姿がまさに消えかかっているという四角い枠に。だれがこの空白を恐れるのか??

(言い換えれば、だれが、表象批判する現代アートを恐れるのかという問いが成り立つ)

 

 
本多 敬さんの写真