ジェイムス・ジョイスの世界 No.5

ジェイムス・ジョイスの世界 No.5
 
ユリシーズ」の最初の三つの挿話は意識の流れの手法で書いた「若い芸術家の肖像」の延長として再び読む必要が本当にあるのだろうか?スティーブン・ディーダラスが「抜け出た」という意味が問われるその「マーテル塔」において、 ツァラトゥストラの海岸線に沿った彷徨が指示されるのなぜか?(天上から盗んできた「火」をもって、他者と出会うことが不可能な植民市都市「ダブリン」という同一性の反復を焼きつくしてしまうために?)