稲田防衛相への手紙

 

稲田防衛相への手紙

稲田防衛相は、靖国神社参拝について、「心の問題であり、行くとか行かないとか、行くべきとか行かないべきとか、言うべきではないと思っている」と発言しました。「心の問題」とは、他人からみられないという権利の問題のことです。これについて、本居宣長の前は、心の中に神がいました。神道儒教の伝統も持っているので、御師が人々に説教したのです。その痕跡は神社のお御籤にあるといわれます。しかし宣長以降、心の中の神が外部化されました。場合によっては、他人から見られずに祈ることができません。明治以降、このような国家神道の方向で、祀る国家、戦う国家が成り立ってくると考えられます。稲田防衛相は東アジアの平和共存を願う人々の声を無視して、靖国参拝によって戦前との連続性を回復してもかまわないと考えているのでしょうか?もしそうでないならば、参拝したいという欲求を我慢するという倫理的責任があるのではないですか?安倍首相をはじめ日本会議神社本庁公式参拝しないことが不可能な「文化の問題」にしたいようですが(これにたいしてわたしは断固抗議しています!)、あなたは「心の問題」と言っている以上、あなたの参拝する私的な欲求を抑制できるはずだとわたしはかんがえます。どうぞ、近所の神社へ行くことは構いません。