ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.7

ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.7

「かすかな声、おだやかな、か細い声で、大それた、重大な、驚くべきこと、深く、そして正しいことが語られる。」

 

・この世の中は大きな人間の声でなければ重大な正しいことが伝わらないと教えられる。小さな声たちはゼロであり、ただ消滅するだけなのか?だけれど、かすかな声、おだやかな、か細い声でなければもう人間はやっていけなくなるという、理念としての小さい声のもつ意味が生まれることはないのか?生まれることがあったとしても、先験性の思い上がりに陥ることがないようするためには、だれがいつ、かすかな声、おだやかな、か細い声で言わせてくれとはじめて言うのかということが更に問われよう。つまりこのひとの前には、大それた、重大な、驚くべきこと、深く、そして正しいことが語られたことが一度もなかったのである。かすかな声、おだやかな、か細い声は、人間にとって、事件性とよぶべきものなのだ

自動代替テキストはありません。