翁長知事「裁判所は政府の追認機関」

翁長知事「裁判所は政府の追認機関」

判決を読むと、この国は「普通の国」ならば当たり前のことをやっているに過ぎないと繰り返している饒舌なプロパガンダのようです。プロパガンダというのは、国家は間違っていない、なぜなら国家は間違っていないからだという類のトートロジーを連ねるという、深読みの必要がないような全体性の論理に依ります。「追認」の意味は喝采です。全体主義のもとでの喝采とはこういう身ぐるみはがされたような孤立なのかもしれません。敗戦後、「普通の国」を棄てた誓いとその理由を忘れることはできません。この国が「普通の国」に戻ったら必然として一体何が起きてくるのかは歴史を調べればはっきりとわかることです。

沖縄県の翁長知事は県庁で記者会見し、「辺野古が唯一の移設先という国の主張を追認するかのような内容で、地方自治制度を軽視し、沖縄県民の気持ちを踏みにじる、あまりにも国に偏った判断だ。裁判所には法の番人としての役割を期待していたが、政府の追認機関であることが明らかになり、大変失望している。三権分立という意味でも相当な禍根を残すのではないか」と、今回の判決を厳しく批判しました。そのうえで翁長知事は、「このような判決は、沖縄県だけの問題にどとまらず、これからの日本の地方自治と民主主義の在り方に困難をもたらすのではないかと大変危惧している。今後、最高裁判所に上告し、不等な判決の破棄を求めるとともに、地方自治が本来の役割を果たすことができるよう、力のかぎりを尽くして訴えていく」と述べました。

(9月16日 NHK NEWS WEB)