言葉と物のコンパクトな世界 No. 24

  1. 言葉と物のコンパクトな世界 No. 24

  2. 普遍主義の原理は、原理主義の原理と深い関係があるのではないか。この原理主義は近代が排除したものを復活させたというのは嘘だと思う。存在しているのは、近代の原理主義しかないのだから。近代の原理主義とは教える知の伝達であるとしたら、究極的なものとは学びによる知の生産ではないか。無限の領域である究極的なことに接近するためには、それが自己の解釈によって包摂されてはならないという道徳が前提される。近世は倫理が論理に先行することを知っている。京都の「古義堂」では仁斎と一対一で学んだというが、大学の講義のような「一対多」の場とは異なるものであろう。近代の監獄というものが、「一対多」という構造で成り立ったとフーコーが分析したことは何度でも強調してもいい大きな意味があったと思う。もちろんアナクロ的に伝統回帰を言うつもりは無い。ただ世界でトップクラスの軍事費を維持するよりも、もっと大切なことがあると思う。教育の充実を保証するあり方である。