ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.37

  • ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.37

  • ”まったく矛盾しつつも心から、われわれはその願いを抱かずにはいられない。その願いこそわれわれの魂を瞬間的に描き出すものだからだ。魂はその男が落ちるだろうと、落ちるべきだと、落ちるはずだと思い、自らのうちで彼の落下を遂行し、自分が予期したことを望みつつ、動揺から身を守る。魂にとっては、彼はすでに落ちているはずだ。魂は自分の目が信じられない。眼差しはロープの上の彼を追ったり、彼を下に突き落そうとしたりすることもないだろう。彼がまだ落ちていなかったにしても。”

  • ・視線が観念に先行する。映像はナレーションとの関係において、なにを指示しているかはよくわからない。視線を観念化している?だれの視線?ここでは'魂'を語るナレーションが(映画をみる)大衆心理について語るナレーションと重なる?このナレーションを引用することで、’大衆’、’大衆の視線’を指示してそれを、’大衆の原像’みたいな言い方で実体化してしまう安易さを避けている。

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