ハロルド・ピンタをたたえる

ハロルド・ピンタをたたえる

ロンドンでブレヒトの芝居「ガリレオ」を観たのは、「大量殺戮兵器」を確認できずという報告を封じられた高名な科学者が自殺した年、あるいは次の年でしたか。ブッシュの米国にしたがうとしたお国のために仕方なかったのか?激しく反発する世論。事実調査も、ブレア無実初めにありき。これでは、真理モデルに、(真実に帰結する)客観事実が無くなるという政治を考えさせられました。演劇界の知識人ハロルド・ピンタがノーベル賞授賞式講演で言ったことは、芸術の舞台ー演劇ーでは同時に真と偽の両方が成り立つことが要請されるということでした。他方で、政治の舞台においては、真であるか偽であるかどちらかでなければならないということが要請されると言うのです。だから政治家達はイラク戦争では嘘をついたということをはっきりと知らなければなりません。その彼らが嘘をもって、真実を言ったと言うことは倫理的に許されない態度だと抗議したのです。

ミッシェル・フーコ: 一七世紀初頭において、真理が生まれる場所は移動したのだ。それはもはや世界の姿の側にあるのではなく、言語の内的で交差した形態の中にある。-アレクサンドル・コイレ『天文学革命、コペルニクスケプラー、ボレッリ』-