平田篤胤をたたえる ーあまりに早すぎた近代批判の世界

平田篤胤をたたえる

ーあまりに早すぎた近代批判の世界

・魂は死後どこへ行くのか?いつ消滅してしまい、それまでにどれくらい存続するのだろうか?世界中のどこでもこれはどんな人間も捉えて離さない究極的な問いであった。さて魂との関係を切り離してはならないが、生者の生活の方を重んじて鬼神を語らずという伝統的な合理的言説では祀られない魂の問題が江戸時代に出てきた。東アジアにきた当時のキリスト教の影響も考えられるような、死後の魂が均く救われるということを地図で示した似非実証的な地理的表象が、徳川日本の外部から閉じた鎖国体制の中から現れてくることに。平田篤胤の世界、それは権力の好む分断と排除とヒエラルキーの原理に対抗するという、あまりに早すぎた近代批判の世界だったのかもしれない。(今日「日本の秘境」だけをおどろおどろしく物語る語りという問題)