アーレント

存在についてハイデガーは詩的に、アーレントは演劇的に考えた。観客は舞台上の役者が誰か知る(言葉でそう簡単に実体化できないのであるが、知っている。)さて、人間が人間である所以は、内部的自己が誰か知らずとも(読解不可能でも)、非自己の公に向けて語る者が自己が誰かを開示する語りかけによるという。究極の所、ナショナリズムの問題とは、この非自己を周縁化してしまうことにあると私は考える。アーレントは交戦状態のプロパガンダについて言及したがナショナリズムの本質と変わりないだろう。トランプのクリスマスに呟いたツイートにあるように、ナショナリズムというのは「われわれ」と「われわれの敵」しかいないのだ。愚かにも安部はアメリカについていこうと必死なのである。