沖縄「独立」論について

自立か独立か、それが20世紀的問題でした。搾取する少数派の方は思想的自立なき国民独立で全体主義へ行ったのでした。そして世界の搾取される多数派は既に経済的自立なき政治独立で内戦を経験していたのです。 21世紀は、理念的にいかに二つの自立を獲得していくかという方向づけがあるのではないでしょうか。 沖縄に関して私に答えがあるわけではありません。究極的には基地完全撤廃を実現する方向で、現在なにを考えなければならないかを思い悩んでいる状態です。沖縄を東京からみているだけだ、頼りにならないといわれても恥ずかしいですが仕方ありません。ただ、自分たちだけが正しく思考しているかのようにカリスマ的に振る舞う「独立」論者にたいしては、「独立」後に経済的に自立する方法が無ければ日本の植民地になってしまうという危険が指摘されるだけではありません。「アメリカ」か「反アメリカ」かを問う不毛なイデオロギー論争を招くとき周縁化されるのは思想的自立かもしれないとだけ言っておこうとおもうのです。確かなことは、どうしようもない疎外の現実のなかで沖縄の人々がもう非暴力抵抗しかないと決めたというこの事実です。