「万葉集」

万葉集」を開くと、うわー、漢字が音符みたいに使われているんだね、全然読めないよー。振り仮名の音からは何を言っているのか直に判断できないし。ただ、概念として記されている漢字を読んで、勝手に推理できる部分が僅かにある。どうやら、あの場所この場所で見えたものを感動を込めて指示しているらしいんだよね、多分。31字は本当に極限的に短いけれど、31字でも長すぎるのだろうね、歌人がこの感動を伝えるには。だが歌に現れた感動(私的感覚)に、公の国民の思想を読み取ることなんか全然無理無理ー「万葉集」の時代に本当にそういうものが存在したとして。だから現代の読み手は、国家が国民教育によってそれらの私的感覚の意味を教えない限り、見られている対象が国家であるというふうに読むことができないだろうなあと思った