グローバル・デモクラシー

思想史的にいえば、ファシズムは曖昧な観念とはいえ、全体主義国家との同一視は簡単過ぎるだろう。帝国主義時代に脱近代の運動が全体主義国家をもち、戦争の他に目的なき自殺国家の反近代が現れた。さてグローバル資本主義の時代に脱近代運動が全体主義国家をもつ。問題は、戦後社会民主主義の防波堤のように、グローバル・デモクラシーは働くかということ。19世紀・20世紀的なナショナルなものを一生懸命作り直そうとしている言説に絡みとられてしまっていて、21世紀において必要とされている新しい普遍主義がそこで非常に悪い形で模索されているという感じである