ダルデンヌ兄弟監督「午後8時の訪問者」

‪ベルギー人兄弟が監督した「午後8時の訪問者」を観たました。これは凄い映画でした。音楽が使われていない。映像はこれといった視点をもっていないから、編集も作り手の意図がみえないようになっています。情けない男性たちが主人公の女医に助けられるという構図が印象に残りました。そして探偵のように彼女の視点から事件が解決されていくにが面白いのですね。ミステリー作品として紹介されていることを後で知りましたが、手法はそうでしょうが、それに枠づけられない内容をもっていて、わたしの関心はヨーロッピアンフェミニズムというか、やはりアッカーマンがいたからこそ、男性の監督たちがあのような映画を作れるようになったんだろうかとおもいましたね。 ‪映画は、白人男性の暴力とその限界を描いていました。共同体が迎い入れる他者は移民の形をとっているのだから、殺されたのが娼婦であれ誰であれ、人生の痕跡である名を取り返さない限り、祀られることはないのだし、女医はその名を獲得しないと自身が人間としてやっていけなくなるんだと思ってます‬ね。