荻生徂徠「弁名」

荻生徂徠は「弁名」のなかでこう言う。「孔子のいわゆる『人を愛す』とは、民の父母たるを謂うなり。苟も民を安ずるに非ずんば、いずくんぞ以て民の父母たるに足らんや」(孔子が仁を『人を愛す』と言ったのは民の父母となることをいったのである。民の生を安らかにすることなくして、どうして民の父母たることができようか。子安訳) 徂徠の社会全体の視点をもった彼の言葉を現代社会に適用すると、このこととして理解できるのではないだろうか。アベノミックスの破綻をみとめず、代替案を議論もしない。あたかもその破綻を隠蔽するように「教育勅語」の破綻し尽くした天皇ファシズム家族原理を再び言い出すことをやめよ、と、このことである。‬