「昭和の日」で思い出される「昭和」は何だったのだろうか?「昭和とは何であったか」の目次を読むだけでも、なんか考えるヒントが見つかるかも。言説を読み解く三つのポイントは、ナショナリズムとアジア主義と沖縄問題である。
序 反哲学的読書論 ー 三木清「読書論」
1 小説は歴史をどう語るか
ーフィクションが反覆する"真実"
・黙って兵隊であるものの文学
ー火野葦平「小説 陸軍」
・近代に反覆される親鸞
ー 石和鷹「地獄は一定のすみかぞかしー小説暁烏敏」
・「閔姫問題」とは何か
ー角田房子「閔姫暗殺 ー朝鮮王朝末期の国母」
2 アジア主義とは何であったか
ー昭和日本の中国体験
・「支那事変」とは何であったか
ー「文藝春秋」昭和13年新年号
・中国主義者橘と国家改造論
ー橘樸「国体論序説」
・朝陽門外は我が墳墓の地
ー清水安三「朝陽門外」
3 ナショナリズムとは何かー死の哲学
・国民的物語「松坂の一夜」の成立
ー文部省「小学国語読本」巻11
・「種」の論理・国家のオントロジー
・死者に対する回向
4 沖縄問題とは何か
ー日米関係の戦前と戦後
・太平洋よ心地よく眠れ
ー大阪毎日懸賞論文五十後の太平洋」
・人が其処に住むこと
・沖縄にあるのは「青い海」だけではなー新崎他「沖縄修学旅行」
結び 小田は其処にいつづけた
ー小田実を読む