天皇制的近代国家とは?

1、毎月第二週の土曜日は子安氏の現代史の講義。これはずっと早稲田大学小教室でやっていたのだが、現在はとりあえず早稲田奉仕園の会議室を借りて行なっている。この土曜日は仲間とワイワイガヤガヤとやっている日で、お酒もまわってか興奮で眠れない。何を学び、何を考えたかを思い返す。2、江戸幕府鎌倉幕府と比べて地域的普遍性があった。この幕府は自ら構成した絶対王権を以て近代化を担えたはずなのに、19世紀においては幕府の政治権力にそれほど普遍性がなかったので、明治維新エスタブリッシュメントになる尊王攘夷を唱える薩長が京都から天皇を勝手に連れ出すことを許したかもしれない。‪3、普遍性は、ヨーロッパのそれをラディカルに取り入れた。そうして、明治において問題となってきたのは、ある意味で応仁の乱が壊した権門体制が貴族の儀礼と共に復活することになったと同時に、取り入れたヨーロッパ近代化の謂わばゼロの出発のもとで、結果的に過去のどの時代と比べても差別を拡大させてしまう天皇制的近代国家を作り出してしまったという‬