ロンドンとはだれか?

ロンドンとはだれか? 現在イギリス人は庭仕事の範囲にしか関心がないが、かつて大英帝国の名をもったイギリスはフランスと一緒に地球を半分ずつもったのである。第一次世界大戦後のイギリスの金本位制の中心へのノスタルジックな復帰は、もはや米国の時代における自国経済への過大評価が成すもので、ケインズの警告した通りに無理があった。栄光から衰退へ。この時代を読み誤る決定的な失敗で、大英帝国はヨーロッパの一国であるイギリスとなったのである。だが歴史は繰り返されるのか?サッチャー大英帝国復活を夢見るグローバル主義の後、現在EU離脱の一国主義によって復興幻想のようなものが繰り返されたか?「われわれ自身へ」とイギリスは高いプライドを以てEU離脱しても、一国主義の無理で、結局は、屈辱的にEUに復帰するだろうという有力な見方もある。それほど英国通貨は以前のようにはユーロとの連続性がなくなることはリスクがあるということらしい。そのときグローバル資本主義の中心をなすロンドンで何が起きてくるのか誰も予想できないでいる。ここで問われるのが このことである。ロンドンとはだれか?ロンドンはロンドンであるために要請されたマルチカルチュアリズム。だがイラク戦争以降、差別を受けたマイノリティーは人権の主張の方にリアリティをもつようになった。金融バブル崩壊後の中国資本の受け入れと共に 人権を口にすることが段々と難しくなってきたと心配される