岡倉天心

私はきちんと理解しているのかどうかわかりませんけれど、中国文化と西欧文化が出会った場所は沢山あるのですが、岡倉天心風にいうと、この列島はその一番端っこに位置しています。様々な文化の痕跡が流れ着いてきた、文明博物館みたいなのですね。絶対の死に切った過去たちの島というか。もっと観念化すると、「美しい国」という唱和によっても過去が蘇ることがあり得ない、だからこそ、この端っこにおいてこそ、彼方側に横わたる、まだ白紙となっているままの、アジアと西欧と同じ大きさをもった他者の存在を感じることのできる場所ではないでしょうか。