セザンヌ

CÉZANNE

この絵をみたのは中学生のときで、たしかデパートの展示室でみた。なんの距離もなく、セザンヌにおける内部の中に立っているあの感覚。ここにおいて自分の感覚が方向づけられてしまったものだから、この内部から、正直言うと、別のものの見方を以てその自分の感覚をみることが長い間難しかった。ウィットゲンシュタインの表象批判を徹底的にやるロンドンに行くまでは、ポストモダニズムの解体的な批評精神なんかはそう簡単に受け入れることができなかったのだ...