地域紛争を考える

‪正しくは「資本主義が」という主語をつかうべきかもしれないが、19世紀のイギリスとフランスが其々地球の半分もつことができたのは、ポルトガルとスペインそしてオランダの失敗を克服したということがあったかもしれない。問題は、帝国主義者の子孫たちが旧植民国に訪ねて行くとき、今日アメリカ人観光客のそっくり同じ口調で、「今日この国があるのはわれわれのおかげなのに」とさりげなく告げるときである。もっと問題なのは、奇妙なことに、ナショナリズム植民地主義者は、帝国主義者の失敗を指摘して自分達ならば祖国を救えると約束するとき、ーそれは破産し尽くした約束なのにー、それは帝国主義者の言葉と違わないのである。帝国主義と<対抗>帝国主義に先行したのが、近代的測量で為された地図の制作である。(イギリスは最初に近代的方法を以てアイルランド測量を行なった。1980年前後の演劇が問うたアイルランドの地名が二つできてくる。) 知的であるためには、大きな広い円のなかで地域紛争を考えること、そして大きな時間的な広がりのなかで考えること。グローバル資本主義の問題が根底にあることを見逃してはいけないこと、地域紛争の解決のために全世界が介入すること、人類史的な視点をもつこと‬