伊藤仁斎の17世紀

‪和漢混淆文の成立によって、仮名交じり文のスタイルはほぼ完成された。『今昔物語』『徒然草』『方丈記』『平家物語』は仮名交じり文で書かれた最初期の文学だったとみられている。さて漢字受容から千年かかって成熟した、伊藤仁斎の思想は、見方によっては、12世紀と21世紀の<間>にあらわれたとみることもできよう。<間>とは、そうして始めもなければ終わりもない状態をいう。それは多様な入り口たちから構成されている。日本思想は、20世紀にあらわれてもよかったのだが、<倫理>的だったので、あえてそれよりも前の17世紀にあらわれた。そうして、21世紀に、<解体>日本思想となったのである。‬