不倫?

‪『ダブリンの人々』をはじめとするジョイス文学の一大テーマに、政治家の「不倫」がある。非難は、‬"道徳"をまもる偽装のもとで、外部との接触によって豊かに育っていく文化の可能性を拒絶してやまない、一国主義ナショナリズムの痙攣である。


‪「孔子がこういわれた。人の過ちの多くは、それぞれの親兄弟や友達関係から犯されるものだ。わたしはその過ちを見て、むしろその人の人倫的な情の厚さを知るのである」(『論語』)。

週刊誌知がいう「不倫」も、よく考えると、その人の情の厚さから理解できる事柄ではないだろうか。人ゆえに誰も犯し得る過ちをあたかも政治的責任の対象にして公に罰していいのかしら‬?