政治的自由と経済的自由

この五百年間の歴史をみると、‪政治的自由と経済的自由、この両者の関係は、ヨーロッパにおいては、相補的である。どちらがどちらに先行したかによって、イギリスとフランスの間の差異が説明される。ドイツは哲学の自由が両者に先行したという。近代化を百年でやるアジアでは、(場合によってはもっと縮約された期間で)、政治的自由か経済かと二者択一的に問われる。そして経済が正解とされる。経済の推進は即ちナショナリズム。日本と韓国と中国、程度の差はあるが、政治的自由を抑圧してきたのはこのナショナリズム‬。現在のナショナリズムは、世界のどこの国においても、独立というポジティブな方向性ももたなくなったもの、ただ、他者を差別するためだけにある有害なもの