津田左右吉

思想の歴史で語らなければならないのは、暗さ(津田の思想空間の中におけるパラドックスの解決)についてではなく、明治維新象徴天皇制の記述を通じてあきらかにする以上のものを隠している、見かけだけ明るい、いささか混濁した光 (1916年に『文学に現れたる我が国民思想の研究』を書いたこと)についてとなるであろう。