『言葉と物』をたたえる

『言葉と物』をたたえる


140字の『言葉と物』の解説が流れてきたけど、わたしにはできない。現在の問題関心に即して書き加えていくのだけよね。フーコは自らをポスト構造「主義」の思想家として見做されるのを拒んでいた。『言葉と物』は、20世紀構造主義の近代を批判するために、17世紀の注釈学の再発明を必要としたとおもう。注釈学の近世とはなにか?(人間が自らの住処とする表象の知である)解釈学との位相の違いを明確にしながら、専門知の文献中心主義から切り離す形で注釈学を言説学として再構成してみせた。間違いをおそれずにいうと、それはアルトーなどの文学と「類似」するものである。ここから、フーコは「構造」問題をはじめて分析したのではなかっただろうか。