子安先生の『漢字論』

‪『漢字論』は、『仁斎論語』を読んだ後にどう読めるかという楽しみがある。不可避の他者は、言説の差異化の方向(自然哲学or倫理学)、理念化の方向(漢字文化圏コスモロジーor信における仰ぎ見る天)から構成されてくる。他者との関係によって新しく自己との関係を再構成するその条件として、他者の配置は言語の集中から起きてくる。漢字への視線は音声優位主義の近代を批判することを可能ならしめたが、このことを理解するためには『宣長学講義』を読む必要がある。『漢字論』は本居宣長に言及している。‬