民主主義と普遍主義

民主主義と普遍主義は、何と喩えようか?旅の途上で知り合て離れることがない人びとである。そうだとしたら、どういうことがいえるだろうか。グローバルデモクラシーは、政治多元主義であるから、後期近代のグローバル資本主義に抵抗する<一>の場所である。そして(この「そして」が哲学的問題を構成するのであるが、ここでは、とりあえず、他者からの「そして」という意味で)、普遍主義はヨーロッパ近代がはじめて可能にしてくれた物の見方であるが、そのなかからは十分成し得なかった問題を批判していく課題を以って、漢字文化圏の普遍主義は、反時代的に脱中心的のエクリチュール的<多>にすんでいる。


‪「私もあなたと同じ孤独な老人 / 旅の間あまり話さなかったが / 古い知己の様な親しみを感じる」(サミュエル・ベケット)。ゴダールは音と映像の互いに独立した関係を、私はデモクラシーと他者と普遍主義を考える。独立しているとは、音は映像の代わりになることができないし、映像は音の代わりになれないということ。同じように、独立しているというのは、民主主義は普遍主義の代わりになることができないし、普遍主義が民主主義の代わりになることができないことなのであるー 世界史の知識人が考えるようには...。政治的民主主義の問題は民主主義の問題であり、文化的普遍主義の問題は普遍主義の問題である。他者からするこの理念を、本を与えるように何人かに与えた、と、旅の一番最期にいえるだろうか、それはわからない...