フーコ『言葉と物』

‪対蹠的なものの接近、あるいはたんに無縁なものの唐突な隣接、そうしたものをぶつけあう列挙というものは、それだけで魔法の力をもってはいようが、フーコ曰く、問題は、物を隣あわせる座そのものなのだという。映画について語るのはまだはやい。だが、どうしても、Durasからとらえられた鏡について語ること、鏡が住処とする言葉について語ることを考えることに。だけれどそもそも問われていたのは、(右側に気をつけよ)、右から左へ、その反対に、左から右へと移っても影響を受けないような思考作用を成り立たせる思考の優先順位であった 。「先ず思考がある」という、画布がベラスケスの絵画においてそういうものとして表象されている。多分、'India Song' (1975)では床に眠る女性の衣装がそういう画布ではなかっただろうか。