ゴダール

‪「人生で最も大きい苦痛は、夢が醒めたとき、行くべき路がないことです」(魯迅)。目覚めは死。だから夢を発明し続けなければならない。背後から光が物語を殺戮してくる暗闇をもたなければ、ゴダール映画が問う、スクリーンの白紙の本としての意味ー先ず思考があるとするその比類なき単純さーを理解できない‬


Certainly the design of the 2018 festival poster pays a nostalgic tribute to Godard’s 1965 film Pierrot le Fou. But after yesterday’s premiere of The Image Book, several critics were persuaded the director still has something to say: “It is a film about how he sees the world now, through film,” said Deanna Gao, a critic for a Chinese magazine who is based in Paris. “The Chinese adore him and this is a very interesting, intellectual movie.”



‪飛行機の出現で、航海で二カ月かかった距離が九時間に短縮されることになったとき、パリは消滅した。距離は言語の端について考えさせてくれる思考であった。そこで思考は思考の限界を考えたことだろう。映画『イメージ・ブック』(ゴダール)はそういう距離の表象であると考えてみようか。この映画はいつどこで観ることができるかわからないのだ。フランスに行ったからといって必ず観れる保証もない。十年前と比べるとパリは本当に変わった。パリの街角に古い映画はない。パリは二度消滅したのである。‪古い映画をみなければ、ゴダール映画が問うスクリーンの白紙の本としての意味ー先ず思考があるとするその比類なき単純さーを理解できない。『イメージ・ブック』は本の旅となるかもしれない。この時代は思考をともなわずして見ることは不可能である。映画は消滅したと言われたあと、この存在しないものが存在していることについて何が言われるのか?これからゆっくり考える本の旅に委ねることにしよう‬