‪能『楊貴妃』の鬼神論

‪能『楊貴妃』の鬼神論


玄宗皇帝は楊貴妃の死後、方士に命じて魂魄のありかをさがさせる。方士は楊貴妃の魂を尋ね天上から黄泉まで探すが見当たらず、最後に常世の国蓬菜宮に来る。そこで楊貴妃をみつける。方士は逢えた証の品を請い、楊貴妃は髪に挿していた玉の簪をわたすが、方士はこれより帝と密かに交わした言葉があれば聞かして欲しいという。シテ「これこそありし形見よとて 玉のかんざし取り出だし 方士に与へたびければ」、ワキ「いやとよこれは世の中に 類ひあるべき物なれば いかでか信じ給ふべき 御身と君と人知れず  契り給ひし言の葉あらば それをしるしに申すべし」。キター!魂は言葉を住処とすることによって消滅するということか‬


ホホー、「在天願作比翼鳥、在地願爲連理枝」(天にあっては願わくは比翼の鳥となり、地にあっては願わくは連理の枝となりましょう)。調べてみると、ホー、なるほどニャ、『源氏物語』は読めないが、漢詩は『源氏物語』のキャラ作りに影響を与えたという話はわかるニャ。能『楊貴妃』は朱子学コスモロジーを以って白居易と『源氏物語』の読み直しを行なったというふうに考えることができるのだろうか、興味深いニャ。ちょっぴり『草枕』の漱石も近くに感じたな、ホ〜ホー