岡倉天心

岡倉天心丹田を中心に身体の全体から考えた思想家ではなかったかな。だから風貌が中国人になったりインド人になった。ある物にべつの物を見ているというか、意味するものと意味されるものとの価値の転倒を行うというか、岡倉天心は、太平洋の方向に中国とインドを見た。そして思うのであった。境界に集積してきた物と物は類似性の意味を以って互いに繋がりあってくると。詩人の想像力は、卑近なものを日常化することに逆らって、卑近なものにこそ史上性が定位していると見抜く。そうして物が語る詩の言葉が物に煌めく時代たちを発明してしまうのである。「アジアは一つ」という言説を聞くんだな...