ベルイマン「ファニーとアレクサンデル」

ベルイマン映画「ファニーとアレクサンデル」は、「ハムレット」を再構成する形で亡霊を主題としていて、そこで監督の仮面の問題意識をも発展させていた。余りに多くの仮面をもつ亡霊をやめれば顔の実現が成り立つのか?亡霊と現れをめぐる二項対立、ユートピアの本質は現実化するという教説の意味を考えた‬。


‪映画の中の牧師もファニーも、ベルイマンの実生活と関係がある。だがアレクサンデルは誰かを言ってしまう前に言っておきたいのは、反抗をともなうあの受動性は、映画に顕著な視線と視点の分裂であろう。かれの環境は人形達で成り立つ。視線からは、人形達を操る抽象的人格が現れることがない‬。アレクサンデル、それは映画の名だった...