精神の歴史について

大英帝国の貴族ー産業革命で敗者となったー価値観が独立アイルランドナショナリズムを形成していくのは、プロイセンの哲学的精神が日本国体を作るのとは同じではない。一方は労働者階級と農民を理想化した中産階級がになった近代化であり、他方は下層武士階層がになった近代化である。同じではないけれど、常に二つの方向を考える方法があることを考える。イギリスがアイルランドを発明しただけでなくアイルランドがイギリスを発明するように、ヨーロッパは日本を発明しただけではない。逆の方向から、日本がヨーロッパを発明しようとしていた。アジアがヨーロッパを発明しようとしたということもできるかもしれない。それは、精神というものが、日本の近代を相対化する方向と、ヨーロッパの近代も相対化しようとする方向をもつからではないか。それによって精神の歴史が成り立つ。精神の歴史を語る思想の歴史においては、他と離して眺められた一つの国の思想は断定的で役に立たないと思う